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[G]歯科

[G]歯科の概要

歯科学が1つの独立した医学として確立したのは1700年代に入ってからであり、専門的な歯科用器具が製作されるようになったのは1800年代に入ってからでした。歯科用ドリルはそれまで手で回す弓型ドリルが使われていましたが、1829年にナスミスがチューブと渦巻き螺旋を使ったドリルを開発。1868年には米国の機械工グリーンが空圧式歯科用ドリルを、1871年にはモリソンが足踏み式歯科用エンジンを発明しました。この間の1851年の第1回ロンドン万国博覧会には抜歯鉗子など歯科用器具セットが出品されました。

歯科用ユニット(歯科用椅子)は歯科治療の際に患者が座る診療椅子のことで、口元を照らす照明やうがい場所、治療器具などが配備されている医療機器です。明治8年(1875年)、日本で初めて歯科用椅子を考案したのは、日本の歯科医の開祖と言われている小幡英之助氏です。明治時代には足踏みで回転力を発生させる回転切削器具が使われ始めました。日本では昭和2年(1927年)、京都の森田歯科商店(現・モリタ製作所)が初の国産化歯科用ユニットを製造しました。昭和7、8年(1932、1933年)頃までには現在とほぼ同様の形態や機能を持った歯科用椅子が開発されました。西洋では1920年代までに電動の歯科用椅子が開発されたとされています。

一足飛びに現代の歯科用ユニットを紹介します。椅子のリクライニングは患者が水平に近く倒れ、医師は座って治療を行えます。うがいをする給水装置(ストッピン)、切削した歯や修復材料の粉塵を口腔内の水や唾液とともに吸引するバキューム、フットコントローラー、ワークテーブルには回転切削器具や歯石を除去する超音波スケーラーが備えられています。