人工心臓弁はリウマチ熱などが原因で僧帽弁、大動脈弁、三尖弁などの心臓弁が開閉不全となり、薬剤での内科的治療ができない場合に用いられます。外科的手術で患者の弁を人工心臓弁に取り替える治療を行います。
人工心臓弁の開発は1952年、米国のハーフナーゲル医師がwater bottle stopper(ガラス玉による栓)からヒントを得た「ボール弁」に始まりました。最初のボール弁は大動脈閉鎖不全の患者の治療に臨床応用されています。その後、1960年に米国のスター医師が僧帽弁に、ハーケン医師が大動脈弁の取り替えに成功して以来、数多くの人工心臓弁が開発されました。
人工心臓弁はボール弁やデスク弁などの「機械弁」と豚や牛などの弁を用いた「生体弁」に大別されます。