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[V]解剖・病理

[V]解剖・病理の概要

病理学的検査は人体から採取した組織や細胞などの標本を検査する「組織検査」と「細胞検査」に大きく分かれます。組織検査の場合、光学顕微鏡で観察するためには、標本から光が透過するほどの薄さの切片試料に切り出す必要があります。それを行うのがミクロトームで、病理学的検査は生体のみならず遺体の病理解剖の際にも使用されます。鋼鉄刀を研磨して刃付けしたナイフと薄いスチール鋼にコーティング加工したブレードを装着した装置です。固定した試料台に対して刃を移動させる「滑走式(ユング型、シャンツェ型)」と固定した刃に対して試料台を動かす「回転式(ロータリー式、ミノット型)」の2つに分類されます。

ミクロトームの開発は1800年代初頭から試みられていましたが、世界に広く使われたのがミノットミクロトームです。米国の解剖学者ミノットは1886年、顕微鏡用の切片標本を作るために自動回転式ミクロトームを発明しました。