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[U]薬局・製剤

[U]薬局・製剤の概要

薬研(やげん)は主に漢方の製剤に用いる鉄製の道具です。漢方では薬を細かくし煎じて飲むために、細長い舟形で中が断面V字形に窪んだ薬研と、薬研車といって鉄の車輪状の円盤に木の棒を差したものを使って薬種を押し砕きます。乳鉢(にゅうばち)は薬の調剤や顔料の調製に使う特殊な形状のすり鉢に一種です。碗形または皿形の鉢と乳棒(にゅうぼう)が一組で、粗粒の固形原料を擂り潰して微粉にしたり混和したりします。薬局では主に陶磁器製が多く使われます。

天秤は古代から物の重さを測るために使われてきました。最も簡単なものは1本の棒の真ん中を支点として、棒の両側からぶらさげた皿に測る物と分銅をそれぞれ置いて測定するものです。この秤の場合、ひもが絡んだり皿が静止するまで時間がかかるという欠点がありました。それを解決したのがフランスの数学者ロベルバルです。1669年、ロベルバルは皿を下から支える上皿天秤を発明しました。

日本ではひもでぶらさげるタイプのほかに棹秤も使われていました。棹の一端からひもでぶらさげた皿に測るものを載せ、取っ手を支点にひもでぶらさげた分銅を移動し、棹が水平になった目盛を読んで測定するというものです。明治以降、薬事法で薬局に調剤用の天秤を備えておくことが義務づけられ、西洋の上皿天秤が普及することになりました。