世界初の機能的な外科用手術台が登場したのは、1840年、ドイツのマッケ社が開発した木製の手術台でした。同社は1902年には油圧式で高さ調節ができる手術台を発売したのに続き、1938年には頭部手術用手術台、1958年には電動モーター式手術台を開発。世界各地の手術台メーカーをリードしました。
日本でも医療機器メーカーが輸入品を参考に国産品の開発・製造を行ってきましたが、本格的に開発に乗り出したのは朝鮮戦争以後のことです。当時の手術台は台の上下移動、両側の縦横動作、背中の傾斜調節、足部の開脚などは全てギア式のハンドル操作による手動でした。そこで、瑞穂医科工業(現・ミズホ)は油圧で操作できる全油圧駆動式手術台を開発しました。昭和34年(1959年)のことです。
一方、マッケ社は1964年、現在のシステム手術台の先駆けとなる、様々な手術に対応できる世界初の分離式手術台を開発しました。これに対して瑞穂医科工業は昭和43年(1968年)、現在の電動手術台の基となる電動全油圧駆動手術台を発売したのに続いて、昭和51年(1976年)には電動全油圧駆動手術台に分離式機能を加えた手術台を開発しました。