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脳波計

脳波計の概要

1924年、ドイツの精神科医ハンス・ベルガ―は人間の脳の電気現象を記録し、1929年、「人間の脳電図について」という論文を発表しました。1933年、イギリスのエイドリアンらの追試実験によって脳波の存在が証明され、ベルガ―は人間の脳波の発見者として後世に名を残すことになりました。1930年代にはドイツのトニーや米国のグラスなど欧米の技術者が、現在の脳波計の原型となる脳波計を開発しました。

日本においても1930年代から第二次大戦中にかけて脳波計の研究が盛んに行われましたが、国産第一号の臨床用脳波計が発売されたのは昭和26年(1951年)。東京大学工学部阪本研究室の指導を受けた三星電機(現・三栄測器)が製造し、日本大学文学部心理学教室に納入された、蓄電池式・真空管増幅式・インク書き記録式・2チャンネル・木製筐体の「木製号」です。こののち昭和29年(1954年)頃にかけて改良が施されさまざまな国産脳波計が発売されました。しかし、チャンネル数が少なく記録するのに多くの時間を要し、苦労して記録を取っていた時代でした。そこで、国産に満足しない施設では米国グラス社の8チャンネルの脳波計を輸入して使用していました。