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聴診器

聴診器の概要

聴診器は患者の体内で発生する自然の振動(心音、呼吸音、動脈音、腸音、胎児心音など)を耳で聴いて診断に役立てる診断機器です。フランス人医師ラエンネックは1816年、子どもが竹筒のようなものを使って内緒話をしている遊びの光景を見て聴診器を発想したと伝えられています。ラエンネックはこの発想を発明に結び付け、1819年、自分が発明した聴診器を使って得られた知見を「間接聴診法」という著書に記しました。ラエンネックの聴診器は片耳式でしたが、1851年には米国で両耳式の聴診器が開発されました。これらの方式は、単に音を直接伝えるだけで「オープン・ベル型」と呼ばれ、集音部(聴診部)は象牙が使用されていました。その後、集音部を薄い膜で覆った「膜型」「メンブレン型」も米国で発明されました。現在ではベル型とメンブレン型を合体させた聴診器が主流になっています。トラウベ式聴診器はラエンネックが発明した聴診器の原型に、ルードヴィッヒ・トラウベが使いやすく携帯に便利な聴診器に改良したものです。